SFIAについて

SFIAは情報コミュニケーション技術、デジタルトランスフォーメーション、ソフトウェアエンジニアリングに関わる専門家に要求されるスキルとコンピテンシーを定義する。

SFIAは2000年に公式に公開され、その起源は1980年代のいくつかのスキル・コンピテンシープロジェクトに遡ることができる。これらが、SFIAフレームワークと、国際的なNPOとして、世界的なコミュニティを組織し、SFIAフレームワークを開発、保守するSFIA Foundationの設立に繋がっている。

SFIAは情報コミュニケーション技術、デジタルトランスフォーメーション、ソフトウェアエンジニアリングのスキルとコンピテンシーに関する共通言語として、世界的に認知されて来た。

SFIAは世界に公開された協議プロセスによって定期的に改定され、協働を旨としている。世界中の企業、団体、教育機関の中で、スキル/コンピテンシーを開発、管理する実務経験を持つ人々が、SFIAが意味を持ち、かつ正確で有るように努力している。SFIAは、業界とビジネスによって、業界とビジネスのために作られている。

これらの要素が、SFIAを他のフレームワークから際立たせており、200もの国における企業や個人で利用されているという結果に表れている。また次のような要因も、その特色と成功に繋がっている。

  • 世界のユーザーコミュニティにより構築、所有されている
  • 世界的な連携による開発
  • 世界的なガバナンスとステアリング組織
  • 20年以上の有効活用の実績
  • エコシステムの形成と安定した基盤
  • 中立的なアプローチ。あらゆる技術、ベンダー、専門機関からの独立性

非営利利用のほとんどについては、SFIAは無償で利用可能 

  • SFIA Foundation が非営利組織で有ること
  • SFIAを商用利用する場合の、妥当なライセンス費用
  • ライセンス費用はフレームワークの開発の継続に利用される
  • ライセンス費用を負担している組織や個人は、業界の継続的な発展に貢献していることを誇りに思うことができる

SFIA とはどのようなものか?

容易に利用することができる共通参照モデル

SFIAは、情報コミュニケーション技術、デジタルトランスフォーメーション、ソフトウェアエンジニアリングおよびその周辺で、業務や管理を行う人々のための実務的なリソースである。

  • SFIAは専門スキルを一つの軸に、7階層に分けた責務をもう一つの軸とするフレームワークを提供する。
  • 専門スキルを複数のレベルのコンピタンスで定義する。
  • 自律性、影響力、複雑性、知識、およびビジネススキルといった基本要素についての責務の階層を定義する。

SFIAは、業界とビジネス、最新の考え方に対し、有用かつ整合性が保たれるように、頻繁に更新されている。

デジタルの世界で必要とされるスキルのための共通言語

SFIAは、スキルおよび専門性を一貫した方法で定義するための共通言語を個人と組織に提供する。専門用語や略語を避け、明確な表現を使用することにより、SFIAは、人事、教育、組織設計、購買など間接部門においても利用可能になっている。SFIAを使用することにより、組織内および多分野にわたるチーム内のコミュニケーションと効果的な連携を阻害する、解釈の問題を回避することができる。

またこのような一貫性により、SFIAは、組織の規模に関わらず有効に利用できる。どのような組織においても、スキルと能力に対するアプローチ、用語、着目点が共有される。

なぜ利用するのか?

SFIAは、ユーザーの既存の業務に対して、十分な柔軟性をもち、シームレスに統合できるように設計されている。

  • SFIAは、固有の手法を定義したり、組織構造、役割、業務を規定したりするものではなく、スキルおよび責務の階層の明確な定義のみを提供する。
  • SFIAは多くの業界や組織形態で利用することができる。個人、小規模、大規模チーム、部門全体から千人単位の組織全体までに適用可能な理想的なフレームワークである。

主要な設計原則

SFIAの開発初期より、いくつかの設計原則が引き継がれている。それらはSFIAの全ての版に対して適用されている。

  • SFIAは、直截的、一般的、汎用的に適用可能である。 適用範囲は広範で、SFIAは全ての業界に適用可能なように設計されている。
  • SFIAは経験に基づいたフレームワークである。 個人は、責務の階層および実社会において求められるレベルでの複数のスキルの実施を通じて得られた特定のコンピタンスを持っている。SFIAは他のいかなる認証や資格とも連動していない。認証はSFIAに対応させることができるが、知識を問うだけの資格は経験や責務の階層を表すことがないからである。
  • SFIAは責務の階層とスキルを定義する。 作業、役割、人材、プロセス、業務などは重要ではあるが、SFIAでは定義はしない。
  • SFIAはスキルの本質を定義する。 SFIAは規範的ではなく実際的である。具体的なタスクや成果物などは定義されない。
  • SFIAはコンピテンシーに関する統合的な視点を提供する。 SFIAは責務の階層、専門スキル、振る舞いと要素、知識・資格・認証といったものを認識している。SFIAはそれらがどのように連携し、補完し合うかを示す。
  • SFIAは技術や手法とは独立したものである。 SFIAは技術、方式、手法、技術知識を定義しない。それらは短期間で変わってしまうが、本質的なスキルはより恒常的である。よって、例えば、クラウド、DevOps、Agile、ビッグデータとデジタル化などは、SFIAのスキルと組み合わせて説明することができる。
  • SFIAは世界各国の実務家によって改定されている。 SFIAはエンドユーザによって牽引されている。内容は、業界やビジネスが求めることを反映しており、単一のステークホルダーグループによって牽引されているのではない。
  • SFIAは、特定の組織、業務、役割の設計を前提としたり、推奨したりすることはない。 SFIAのスキルと階層構造は、あらゆる組織形態、構造をサポートするように、自由に構成することができる。SFIAは、個人、大小のチーム、部門全体から千名単位の組織全体まで、利用することができる。

SFIAの対象者は?

SFIAの設計と構造によって、SFIAは、広範囲なスキルと人材管理関係の業務を支援するために適用・採用されてきた実績を持つ柔軟な資源となっている。次のリストは、異なるステークホルダーによる現時点でのSFIAの用途を示している。

リストは、網羅的でも限定的でもなく、SFIAの新たな用途が、SFIAコミュニティによって常に見出されていることに注意すべきである。

個人

  • 現在のスキルと経験を評価する
  • 将来の目的、キャリアゴール、個人の成長の計画を特定する
  • 望ましい進路、資格、専門性を特定する
  • 職務経歴書、履歴書、個人スキルプロファイルを作成する
  • スキルと経験に合致する求人に応募する
  • 高品質で方向性の定まった学習・成長目標を設計する

ラインマネジャー

  • 人材管理と人材配置を行う
  • チームの業務遂行リスクを特定し後継者育成計画を立案する
  • 既存の能力を測定し、将来の要求に対する計画を行う
  • スキルとスキルレベル定義に基づいた役割プロファイルと職務記述書を作成する

組織責任者

  • 戦略的な能力計画を行う
  • 組織能力と、技術・ビジネス戦略の整合性をとる
  • 変革、企業合併・買収を計画・実行する

人事担当

  • 一貫性のあるスキルとスキルレベル定義に基づいた役割プロファイル・職務記述書を作成する
  • 戦略的な人材計画、タレント管理、後継者育成計画、アセスメントセンター
  • キャリアファミリーの設計と実装を行う
  • 組織のパフォーマンス管理と個人育成プロセスを支援する
  • キャリアと専門性開発の支援によって、従業員エンゲージメントを改善する

学習および能力開発の専門家

  • 必要なコンピテンシーとスキルのプロファイルを定義する
  • 学習内容カタログ、ブレンド型学習法、カリキュラム、正規およびOJTの組み合わせなどを作成する

事業モデルと組織設計のコンサルタント

  • 事業モデルとそれに必要となる人材能力を整合させる
  • 新たな役割を設計し、新しい事業モデルに必要とされるスキルを検証する
  • 組織のスキルギャップを評価し、ギャップを埋める育成計画を開発する

調達、サプライヤー管理とサービス提供者

  • サービス提供者の管理を支援する(例:アウトソーシング、スタッフ調達、マネージドサービス、教育、訓練、コンサルティング)
  • 要求及び提供される能力を定義するための明確な基準を提供する
  • サプライヤーによる人材ベースのサービスの比較にSFIAレートカードを利用する

リクルーター

  • 要求するレベルの経験を含む適切なスキルに基づき、求められるコンピテンシーを特定する
  • 雇用者が求めることを、候補者が理解できる形で正確に定義するように、雇用者を支援する
  • コンピテンシーをもとにした選択基準と評価手法を提供する

専門家とその知識体系

  • 専門分野固有のコンピテンシーフレームワークを、世界標準に沿って作成する
  • コンピテンシーと知識体系を連携させる
  • メンバーシップレベル、検定、専門性育成、メンタリングプログラムなどの連携を支援する
  • 資格、認定、キャリアパスの開発およびマッピングを行う
  • メンバーのスキルとスキルレベルの専門的認定の作成と保守を行う

教育機関、研修機関、カリキュラム設計者

  • カリキュラムを業界・雇用者の要求と整合させ、雇用可能性を向上させる
  • カリキュラムが、スキルと知識の獲得につながるようにする
  • 育成的で評価につながるスキル査定を支援する

報酬および評価のコンサルタント

  • 組織構造と報酬区分、ベンチマーキングの整合性を取る
  • スキルの経験のレベルに業界標準を連携させ、業務の構造、サイジング、評価の標準的な手法と互換性が取れるようにする

実社会との関連性の維持

SFIAは公開された協議会を通じ、実社会とつながっており、業界とビジネスの要求を反映するために、数年ごとに改定されている。

SFIAのアーキテクチャと設計原則は変わっておらず、有用性と価値の証明となっている。SFIAは業界とビジネスがスキルとコンピテンシーを管理、開発するために必要なものを提供し続けている。

SFIAは、新規および変更する要求に対応し続けるために、継続的な協議を行う手法を採用している。このプロセスは、SFIA Foundationのウェブサイトを通じて行われている。

有用性を維持し続けるために、SFIAは変わり続ける要求や各要素の重要性の認識を反映しなければならず、時に用語の変更も行わなければならない。SFIAの保守は、SFIAが業界、従業員、個人の要求を反映し続けることを確実にするために行われる。これは、安定性と常に最新であり続ける必要性とのバランスを取る進化の一部である。

SFIAのスキル定義に対する改定や拡張の要求は歓迎され、健全で良く利用されているリソースの証拠であるといえる。